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九州のヤモリ -Gekko-
九州本土には現在5種のヤモリの分布が確認されており、その全てがGekko属(ヤモリ属・コバンヤモリ属)に分類されている。
ニホンヤモリ
Gekko japonicus (Dumeril et Bibron, 1836)
九州本土全域に分布し、海岸域から森林域まで広く生息している。大陸由来の種とされており、在来種であるニシヤモリやタワヤモリ等と競合している調査結果も報告されている。人工物環境を好むため街に多いが、相応に自然環境でも見られる。
ニシヤモリ
ニシヤモリ
ニシヤモリ
ニシヤモリ
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ニシヤモリ
Gekko sp.
九州西部に分布し、海岸域の岩場に局所的に生息している。言わずと知れた国産未記載ヤモリの一種だが、分布が分布のためちゃんと観察している両爬屋は少ない。
フナムシをメインに捕食しているとも言われているが、実際の環境ではクモ類や直翅類、網翅類と様々な餌生物が見られたため色々食べていると思われる。飼育下でも一般的な餌昆虫はなんでも食べる。
・尾の基部左右に一対の大型鱗(側肛疣)を持つ
・腹面が黄色味を帯びる
・大型個体は13 cmほどにもなり国産ヤモリ最大級種
タワヤモリ
Gekko tawaensis Okada, 1956
九州では東部に分布し、海岸沿いから山地の岩場に生息している。体色を大きく変化させるため、興奮時は美しい黒と金のコントラストが浮き出る。
・尾の基部左右に一対の大型鱗(側肛疣)を持つ
・背部や四肢に大型鱗が存在しない
・興奮時には黒と黄の発色が強くなる
法面などの人工物でも多数見ることができるが、ニホンヤモリの勢力が強いと圧される。排水穴にて多数の卵を確認できた。
ヤクヤモリ
Gekko yakuensis Matsui et Okada, 1968
九州の南部に分布し、海岸林の人工物に多産する。国産Gekko属の中でも最も大きくなる。
・尾の基部左右に一対の大型鱗(側肛疣)を持つ
・背部に大型鱗が存在するものの、四肢にはない
・全体的に黄色味があり、腹面に黒斑を持つ
樹木より人工物を好むようで、海岸沿いのバス停や小屋等をチェックすると見れる。ミナミヤモリと混在していると種判別が非常に厄介。大きな個体しか自信を持てなくなる。
ミナミヤモリ
Gekko hokouensis Pope, 1928
九州の南部や上五島、屋久島に移入し、海岸林からある程度の内陸まで分布する。もともと日本では南西諸島に分布していたが、本土や離島の温暖な地域に進出しつつある。
・尾の基部左右に一対の大型鱗(側肛疣)を持つ
・背部に大型鱗が存在するものの、四肢にはない
・背面に脊柱のような模様が出やすい
・クリーム色が多いものの、黄色味も個体差で出る
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