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オガサワラヤモリと南洋幻想
オガサワラヤモリ
-Lepidodactylus lugubris-
オガサワラヤモリ Lepidodactylus lugubris は太平洋とインド洋の熱帯から亜熱帯にかけて広く分布するヤモリである。日本においては琉球列島以南、大東諸島、小笠原諸島で確認されている。大東諸島は在来だが、他は海外からの移入であるとされている。両性生殖種の交雑によって生じた単為生殖種で、起源はミクロネシア東部と言われている。少なからず多様性を有しており、クローングループが分けられている。
ニューカレドニアはオーストラリアの東に位置するフランスの海外領土である。メラネシアの島嶼で、気候は熱帯だが本島は東と西で降水量が大きく変わる。非常にヤモリの多様性が高く、独特な進化を遂げているためヤモリ好きは全員この島のことを多少なりとも知っている。なんて言ったってクレスやガーゴ、ジャイゲコなどなど超有名どころの生息地である。そんなニューカレにもオガサワラヤモリは移入しており、クローンAと思われる個体を発見した。
小笠原諸島
小笠原諸島は東京都の南南東約1000 kmに位置する海洋島の島嶼である。貴重な生態系を有するが、例に漏れず非常に脆弱なため外来生物に蹂躙されている。日本の有人島でも最も行きにくい場所の一つで、秘境と言っても過言ではない。小笠原に行ったことはステータス。
父島にてオガサワラヤモリを見ることができた。クローンAであると思われる。見つけることはできなかったが、クローンCも確認されている。他にヤモリ類はホオグロヤモリが生息しているが、両種ともに移入種である。
Guam
グアムは西太平洋にあるマリアナ諸島の南西端に位置するミクロネシア最大の島である。海洋島であり、固有種も多い。管理人が最も好きな島である。住みたい。オガサワラヤモリは在来分布であり、クローンタイプも複数存在していると言われている。実際にクローンAとBと思われる個体を見つけることができた。
石垣島
南西諸島の島々にはオガサワラヤモリが移入しており、石垣島もかなりの個体数が生息している。石垣はクローンAとCが確認されている。
Singapore
シンガポールではマングローブ林で観察された。オオアオムチヘビやコモンブロンズヘビといった樹上性の爬虫類食蛇も多数見られたため、日本より過酷な環境に思える。
南大東島
大東諸島のオガサワラヤモリは在来個体群と言われており、遺伝的多様性が確認されている。大東固有クローンのクローンDは独特な模様を持っており、B系統はハワイで有名な黒面積の多いタイプで人気が高い。南西諸島の外れに位置する海洋島ということもあり、自然も文化も独特。在来爬虫両生類として報告されているのは本種のみであるため、なかなか爬虫両生類好きが訪れない諸島である。
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