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アカハライモリ 婚姻色
Nuptial Coloration of Japanese Fire Belly Newt
アカハライモリは有尾目イモリ科イモリ属に分類される日本固有の両生類である。背面は黒色から暗褐色で、腹面は赤色から橙色の不規則な形状の斑紋や模様が入る。個体差が大きく、上記外の色彩を持つものも見つかる。
アカハライモリの雄は繁殖期になると、尾と耳腺に青色から紫色の婚姻色を発現する。この婚姻色の範囲も個体差が激しく、全身が染まる個体も現れる(トップ写真の個体)。
本書は婚姻色写真を多数掲載。野外での様子や飼育方法、イモリと同じ環境で見られる他生物の紹介など包括的なアカハライモリの説明も含め、イモリ好き必見の一冊となっております。イモリが魅せる期間限定の美しさをご堪能ください。
Amazon Kindle限定販売となっております。
アカハライモリは生活史において水と陸を行き来する生き物である。卵は水中に生みつけられ、孵化した幼生は外鰓をもってエラ呼吸する。1〜3ヶ月を水中で過ごすとエラはなくなり、上陸を始める。3年前後を森林で過ごし、充分に成長すると水場に姿を現して水棲生活に戻る。以降は移動等で陸に上がる事はあるが、生活のメインは水中となる。
つまり、婚姻色が出るような成熟した個体は水中生活をしているので見たい場合は田んぼや流れの緩やかな河川傍等を探せば良い。水底を歩いていたり、スルスルと泳いでいる姿を見ることができるだろう。婚姻色が出ている個体は見ればすぐにわかる。
しかし、アカハライモリの色について面白いところは婚姻色だけではない。本種にはとても派手な色彩変異例が知られている。それが隣写真にあたる、赤変個体である。これは腹を赤くする遺伝子機構が背面にも発現した事で全身が赤(オレンジ)になる珍しい突然変異である。見ての通り非常に派手で美しく、鑑賞性が高い。アカハライモリは黒くて腹が赤いだけの生き物ではなく、稀個体ではあるが婚姻色や色彩変異等これほどまでに美しい姿を呈す。
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